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9.バズィングについて
今回は賛否両論のバズィングについて、自分の考えを述べてみたいと思います。
世界的なプレーヤーも含め、これを強く推奨する人もいれば、全く否定的な人もいらっしゃいます。中には「バズィング禁止令」まで出す人も・・・(笑)
私はバズィング推奨派ですのでその視点からの意見です。確かにマウスピースを用いた、または唇だけによるフリーバズィング、どちらをとっても、そのバズ音がそのままトランペットの音になるわけではありません。
ただ私の経験ですと音が出せなくて苦労している初心者の9割は唇を合わせて振動させることが理解できていなく、とにかく強く息を入れることで発音しようとして<ドツボ>にはまっています。残りの1割は逆に唇をギューっと閉じすぎて「むぅ~~」っと詰まった音になり非常に苦しそうに発音する生徒です。
そういう場合はバズィングはさせないで「フー」と息を管の中に入れるようにとアドバイスします。しかし割合から考えるとバズィングをさせて唇の振動を体感させたほうが圧倒的に<成功率>が高いので私はバズィング推奨派なのです。
実は私が師事した先生(日本で最も多くの弟子を教えた先生かもしれません)はバズィング否定派でした。ところが40歳も過ぎた頃、軽い楽器を鳴らすことが苦手な自分に疑問を持つようになり、わけもわからずバズィング練習に励んで?みたところ薄くて軽い楽器が面白いように鳴らせるようになったので、それからはバズィング肯定派に見事な?変身を成し遂げました(爆)。もちろん先生の主張を否定するものではありません。
ところで、これは私の憶測ですがバズィング否定派の人たちは「バズィング」イコール「初心者の詰まった音」と、イメージしているのかもしれないと想像しています。
逆に推奨派の人たちは「バズィング」イコール「パリっとして輪郭のはっきりした密度の濃い音」と、とらえているのではないかと思っています。あくまでも私個人が、かってに想像しているだけですので・・・・
金管奏者なら誰しも日々コンディションに差があるということを体験していると思います。私はけっこうムラが激しいタイプです。調子の良いときはマウスピースでのバズィングがきれいに決まります。「Lip Look」のようなビジュアライザーを試しても明確な振動が起こっているのが実感できます。

高垣智さんのHPでも紹介されているように、ヴィジュアライザーで音を出しながら、唇の振動を感じ取る、という練習が、唇の振動効率を高めることに役立ちます。それによって、例えばそれまで音がぼやけていた人は、音に芯が出てきます。
写真はハイノートヒッターS氏の「Lip Look」画像です。

長野県在住で最近購入された「Kさん」からも
「自分のアンブシュア、アパチュアの状態を観察するつもりで注文したのですが、これでバズィングした後に楽器を吹くと、発音がくっきりするというか、クリアになるというか…練習器具としても有効だと思いました。」という感想をいただいております。
自分の音はどこか<ぼや~っ>として<芯のないうつろな音>がすると悩んでおられる方は、ぜひ一度フリーバズィング、マウスピースやビジュアライザーを伴ったトレーニングを試してみてはいかがでしょうか?