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13.「Lip Look」「粘膜奏法からの脱出」
大変遅くなってしまいました前回の続きを書かせていただきます。
私の場合はズバリ一言で言うとバズィング練習でした。このバズィング練習には「Lip Look」のようなリム・ビジュアライザーを使ったものやフリーバズィングも含みます。
私は日本で最も有名なトランペット奏者のひとりである先生に高校生のときから師事していました。ちなみにその先生はバズィング否定派でした(笑)
バズィングよりもむしろ「フー」と吹くように教えられました。もちろんその教えが間違っているわけではありません。
ただトランペットの場合他の楽器でもそうだと思いますが人それぞれで、口を締め過ぎる(閉じすぎる)人はバズィングは逆効果だと思います。
私がバズィングをしたきっかけは、あるときSchilke(シルキー)のトランペットを使って演奏しなければならないときがありました。
ずっと<Bach派?>だった私はSchilkeが苦手で吹くと極端にピッチが上ずりました。音の響きは低いのに実際のピッチは高いという最悪の状態でした。
世界の名手にも愛用者はたくさんいて素晴らしい音を奏でている事実も考えると自分の吹き方に問題があるのだと思わざるを得ませんでした。つまり楽器が悪いわけではありません。
シルキーはバックよりも抵抗が少ないと思ったので自分の唇で抵抗を作ってみようと思いました。そこで<禁断の?>バズィングをしてみたところ苦手だったシルキーが大変明るくパリっと音が出ることに気がつき驚いてしまいました。なにより妙な息苦しさを感じませんでした。
一つの方法に執着しないでいろいろ試してみること!
は大切な事と痛感し、そして徐々に粘膜奏法も<消滅>していきました。
「フー」と息を入れる感覚はとても大切なのですが(私の友人F氏はその方法で終始一貫していまして大変上手い奏者です)人によってはそうすることでカップに唇が潜り込んでしまうことがあります。この場合、音がこもって響きは低くピッチは上ずり発音したとき息のエネルギーがうまく音に<変換>されていないので変な苦しさを感じると思います。
まちがったバズィング練習でもこういった苦しさを感じることはあります。ただ音の質が違いますのでどちらの方向に間違っているのかは判断できます。
トランペットで難しいのは、なかなか良いところで留まらないで行きすぎてしまうことだと思います。
これから吹奏楽コンクールのシーズンになります。次回は一部ではありますが専門家からみていいろいろと問題の多い練習方法に<執着?>している吹奏楽部の練習 などについても書いてみたいと思います。