数年前、築地のザイレムで購入した「VEGA Artist One」です。グリップ部分にシリアルNo.とともにPAT.JULY1917と刻印されています。何十年も昔の楽器とは思えないくらい綺麗な状態を保っていてバルブなどの機密性も申し分ありません。音色は大変潤いのある美しい音がします。小さめのベルですが決して荒々しい音にはなりません。1900年初頭のトランペット、コルネットの特徴であるA管への切り替えも可能な構造になっています。さらにこの楽器は左手の親指を押すとチューニング・スライドが伸びるようになっていて、これで実音のH、Cの音程を調節できます。購入時この部分は不完全だったので、96年に「山崎木管修理工房」の山崎氏に完成していただきました。http://homepage3.nifty.com/yamabou/newpage132.htmあと、レシーバー部分が少し細いので専用のマウスピースを亀山氏に製作していただきました。とにかく丁寧に作られている楽器で、当時の楽器制作者の心意気を感じます。